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ひ っ そ り と

数年前に書いたものを(2)

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「背のび健康法って知ってる?」
「おばあちゃん家に、でっかいぶらさがり健康器ってのあったよ。ハンガーかけに使ってて、ちっともぶらさがっちゃいなかったけど」
「あれ、ほしいな、いま」
「まじで?」
「身体のゆがみって、万病の元らしいぞ、タケル。あんたが小憎らしいのも、身体が曲がってるせいよきっと」
「大きなお世話だセイコ」
 タケルとセイコ。ふたりの本名ではない。タケルは、とある神話に出てくる英雄のイメージから。セイコは、松田聖子の方ではなく、橋本聖子のほう。
 ところで、このふたりは本筋とは関係がなくなった。作者の都合です。この作者は気まぐれだ。今、作者は冒頭の場面を読みかえして、このふたりにむかついてしまったのだ。それは友だちのようにポンポンと会話のキャッチボールを交わしている彼らに引け目を感じてしまったから。かわいそうね。作者ってばクリスマスイブなのに仕事だったんだって。恋人の彼も年末年始は休み無いらしいぞ。なんて不幸なふたり。だけど働かなくちゃ生きてはいけない。少なく働いてたっぷり稼ぐなんてムシが良すぎるもんね。そうそう、作者は交通量調査のアルバイトを数回体験したんだってさ。冬。防寒対策をして挑んだ彼、だけど風邪を引いたという。基本は二時間働いて一時間の休みのローテーション。でも、場合によっては三時間だけの仕事で、その間はノンストップで働きづめということもあったそうな。それってトイレ行けないってことでしょ? キツイよねぇ。作者もがんばってんだぁ。 私、作者ってただのニートくんかと思っていたけど見直しちゃったな。私? ご紹介させていただきますと、私は、作者の眼の中に棲んでいるものです。詳しく言うと、水晶体という処です。作者の眼球の水晶体は、彼が五歳の頃から濁っておりまして、そこは本来透明なのですが、ところどころに丸い虫のようなニゴリがあるのです。それらの虫さんらしきものの総体としての意識といったらおわかりでしょうか。それが私なのであります。
'I see.'(はい、わかりました。)
 ・・・・・ほんとかよ?!
                                           (続く)
by derikayuki | 2013-02-14 22:22
閉じられた収納箱に喩えられる団塊の世代ジュニアが醸し出す日常と非日常を稀に公開して後悔して消すという実験?!

by 鞍馬天狗(旧名は消しました)